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【読書】年収1000万円に届く人、届かない人、超える人(千田琢也)

図書館でタイトルだけ見て予約した本が届いた。

年収1,000万円に届く人、届かない人、超える人

年収1,000万円に届く人、届かない人、超える人

 

 

ビジネス書みたいに年収1000万円稼ぐための方法論やスキルアップ手法が書かれているのかと思いきや、とあるお題に対して「年収400万円の人」、「年収1000万円の人」、「年収3000万円以上の人」がどのような行動や価値観を持っているのかを書いたもの。

年収によって人の行動がどの程度変わるのかは分からないが、筆者がコンサルタントとして接触してきた多くの人の共通点を見出しているのでしょう。具体的にどんな風に書かれているか一例を引用すると、

年収400万円は、見るたびに携帯をいじっている

年収1000万円は、人前で携帯を見せない

年収3000万円は、携帯は家で充電しっぱなし

とまあ、このようなお題が60個準備されているのである。

その中にはフムフムと納得できるようなものもあったが、基本的には何を言ってるんだろう、それは年収関係ないんじゃないか?年収3000万円以上の経営者の知り合いの行動原理と違っているな、と感じる項目が多々あった。

 

普段の行動が年収を決めているのか、1000万円以上の高年収を得られる人の行動が必然的に変わっていくのか、その因果関係が分からないのでこの本をどうやって読み解けばいいのかがサッパリ分からなかった。

 

恐らく、本書内で書かれている年収400万円の人たちは、この本のターゲットには入っていないと思われる。一方、1000万円以上の人はすでに高年収なので今さら「年収」に関する本は買わないであろう。

つまり、この本の読者は400万円から1000万円の間の人、1000万円以上稼ぐ人に憧れているけれど実際には追いつけないことを実感しながら、自分は400万円の人よりも上だな、と感じて安心感を得たい人たちがターゲットなのだろう。

そのターゲットに向けて書かれた内容としては秀逸である。1000万円以上の人たちの設定は普段の心がけ次第で何とかなるものばかりであり、かつ、400万円台の人たちとは違うという自負心を煽ることができるのである。

なるほど、かくいう自分もたまに「クスッ」と笑ってしまったので、まんまと著者の作戦に引っ掛かった訳である。うむ、ちょっと悔しい。

 

で、ちなみに年収1000万円以上の人の割合を調べてみたら、勤め人の3.8%とのこと。


年収階層分布図2013-年収ラボ

 

年収1000万円って簡単に言われてる気がするけれど、辿り着くまでには遠い道のりというか選ばれた人だけのポジションなんだと分かる。偏差値だと72以上くらいに該当すると思うと、上から目線を投げたくなる気持ちも分かる。

 

この本は、年収3000万円の人はかなりの珍回答が多かったのだけど、1000万円と400万円はツボを突いていて、思わずうなずいてしまうレベルのものが多かった。年収別サラリーマンの生態を記した書籍としては優秀なのかもしれない。