【読書】マラソンは最小限の練習で早くなる(中野ジェームズ修一)【マラソン】
野辺山ウルトラマラソンや淀川ウルトラマラソンにエントリーして、すでに心はウルトラマラソン完走に向かっているのだけど、図書館で予約していた本がやっと届いたので、内容を取りまとめ。
最小限の練習とは月間200km以下
タイトルには「最小限の練習で」と書いてあるけれど、じゃあ最小限ってどらくらいなの?というと、本書では月間走行距離100km台、つまり200km以下の練習量と定義している。
月間走行距離が200kmを超えると、筋肉や関節に蓄積されるダメージが増えて怪我のリスクが上がることが統計的に分かっているため、それ以下の練習距離で結果を残すことを目的としているのだという。
この月間走行距離が200km以上だと怪我が増えるということは、「マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる! 49歳のおじさん、2度目のマラソンで2時間58分38秒」でも言われていたので、統計的にある程度正しいのであろう。
これから長く走り続けていたいと考えている者としては、この月間走行距離が200km以上になると怪我が増えるという数字は抑えておいた方がいいのだろう。練習量を記録して調整する作業が入ることになるのだろう。
では、月間200km以下でサブスリーレベルを狙うことが可能なのだろうか?本書ではそれが可能だと説いているのであるが、その練習方法はとてもシンプルなものだったので驚いた。
練習の基本3点セット
本書で推奨している練習は基本となる部分が3セット、そして応用というかオプションが少しある程度である。その4セットとは、
- ペース走
- 練習後のグリコーゲンローディング
- LSD
となっており、今までにも他の練習本なんかでも見たことがある内容ばかりである。この中では徹底的にペース走を行うことが推奨されている。
ペース走
自分がフルマラソンでゴールしたい時のペースを逆算して求め、そのペースで走る。最初は5km程度から始めて、最後は10kmを基本とする。完走できてもペースは上げずに、同じペースで同じ距離を走ることで身体にペース感覚を叩き込むことも目的の一つ。
サブ4なら5:40km、サブ3.5なら4:55/kmといった感じでイーブンペースでゴールしたと仮定してのペースを決める。
週に2回程度実施する。
練習後のグリコーゲンローディング
練習直後に炭水化物を摂取することで、体内にグリコーゲンを蓄積しやすい肉体に変えて行くことが目的。練習後というとタンパク質の補給が重要だと思っていたので、今まで
ザバス アクアホエイプロテイン100 グレープフルーツ風味を飲んでいたのでちょっと驚いた。
でも、記憶の世界なので確かではない可能性があるが、TVでアスリートの栄養管理をしている人が、身体を作るためには運動直後の時間帯に炭水化物を摂取することを薦めていたので、この内容の方が正しいのかも知れない。
本書の中での推奨摂取製品としては、バナナ2本またはゼリー飲料とあるが、やはりここは果物を食べる方がよいのでバナナと行きたいところであるが、常に買い置きしているのも難しいかもしれないため、ウイダーinゼリー エネルギーなどのゼリー飲料もストックしておくことにしたい。
練習後の食事習慣をちょっと変えてみようと思う。
LSD
平日はペース走10kmで休日はLSD20km程度を実施する。
が、このLSDの設定ペースが速い。ペース走に30秒足したラップタイムで走るのである。つまり、サブ3.5狙いペース走は4:55/km、LSDは5:25/kmと補の書籍などで紹介されているLSDの設定タイムに比べると大幅に速いタイムなのである。
LSDの目的には毛細血管に血流を行き渡らせ、筋肉に長くゆっくり走れる技術を教え込むなどがあった。
LSDよりはロングジョグ用のペースと言った方が正しいと思うが、この辺りは読んだ各自が自分に理解しやすい内容で理解すればいいと思った。
心拍トレーニングで身体を科学する
基本はペース走とLSDと言っておきながら、後で心拍トレーニングを推奨しているのがちょっと不思議。
心拍トレーニングは、あらかじめ定めた心拍数を目標にして運動し続けるので、その時の気温や体調によって同じ心拍数を設定してもペースが変わってしまう。例えば、自分でも不思議なのだが、心拍数135を目標に設定して走っていても、6:30/kmくらいのときもあれば、5:30/kmくらいのときもある。
つまり、ペースに合わせると心拍数は一定にならず、心拍数に合わせるとペースも一定にならないはずなのである。特にコースに上り坂や下り坂がある場合にはそれが顕著になる。
ペース走中心なのか、心拍トレーニング中心なのか、どっちを中心に進めた方が良いのか、これは絶対的な回答がないような気がするので、自分で判断する必要があって悩んでしまいそうである。
取りあえず、今は心拍トレーニングをやっているところなので、『この程度の心拍数ならこの程度のペース』というものを早く掴めるようになりたい。最終的には、目標とするペース(サブ3.5の5分/km)でいかに低い心拍数でずっと走り続けることができるのかがポイントとなるはずだからである。
ペース走で行くか、心拍トレーニングで行くか。結果は同じなのかもしれないけれど、その過程となる練習の悩みは尽きないものである。
マラソンは最小限の練習で速くなる! 忙しい人の自己ベスト更新術 (ソフトバンク新書)
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