【読書】虹を操る少年(東野圭吾)
見かけると何となく手に取って読んでしまう東野圭吾作品。
人間は光でコントロールできるのか
光を自在に操ることで他人を導くことはできるのか。古今、後光が見えると言われてきた偉人や宗教上の人物は本当に存在するのか。人にはオーラがあり、それが見える人には見える、なんていうとオカルトか新興宗教のように捉えられて、煙たがれるのが一般的であろう。
でも、本当に見える人がいるとするなば。ガンダムに出てくるニュータイプのような感じなのだろうけど、ある程度歳を重ねると若い世代がそのようなことを言ってきて、素直に受け入れることができるのか自分でもわからない。
人間ほど世代交代を嫌う生物はいない
というフレーズが出てくるが、確かにそうなのであろう。権力の座にしがみつき、己がわからないことには耳を傾けず徹底的に排除して晩節を汚す。古くは豊臣秀吉、最近では渡邉恒雄なんかが好例なのではないだろうか。
気が付けば時代は変わっていく。その中でも変わるものと変わらないものがある。アラフォーにもなると、そろそろ新卒で入社した新人と二周り近く違うのだから感受性が異なっていて当たり前である。それを認めることができるのか、そんなことをふと感じた。
新しい時代を作るのは老人ではない(クワトロ・バジーナ)
ということなのであろう。
人類と闇
人類は人工的な照明に慣れすぎた。もっと暗闇の中で意識を覚醒させるべきである。これは全くその通りである。深夜まで煌煌と灯りが点いていることが文化的で先進的であるというのなら、それは少し違うのではないかと個人的には思っている。
裏を返すと、現代社会で闇と一体化できる機会なんて、そうないだろうと思ったが、世の中にはロングトレイルランという競技があるのだ。まだ、夜通しのトレイルラン大会に出たことはないが、深夜の山中を走っていると、野生に目覚める、神経が研ぎ澄まされる、といったコメントを多数聞く。先日、NHK『アスリートの魂』で特集された山本健一氏も同様のコメントを残していた。
うむ、これである。より自然に近い生き方を選んだ時、今とは違う世界が見えてくるだろうか。そこに挑戦してみたくなった。日本国内でもUTMF(ウルトラ・トレイル・マウント・フジ)やTJAR(トランス・ジャパン・アルプス・レース)などド変態が集まるレースがあるので、そこを目指してみようと思う。が、いつか辿り着ける日が来るのだろうか。
なぜか東野圭吾の小説でトングトレイルに行きたいという不思議な完走になってしまった。
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