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アラフォーサラリーマンが本を読みラーメンを食べてマラソンを走って旅してIngressする物語。JGCとSFCのダブルホルダーだけどシンプルに生きて行きたいと願う日々。

【読書】重見高好さんの物語「小さな村のウルトラランナー」大川卓弥

小さな村のウルトラランナー の要約と感想です。

要約

NHKで放送されたウルトラランナーである重見好高さんの物語を書籍化したものです。

単にストーリーを再編集しただけでなく、撮影時にディレクターが感じた気持ちなども盛り込まれています。

父親は暴力を振るい、母親は精神的に追い込まれて入院、親からも見放され、目的が見出だせず、一人で黙々と走ることだけが唯一自分の世界だった少年自体の重見少年。

ふとしたことから、その走力を認められて実業団に入ったものの、本来の力を試合で発揮できず、結果的に大した記録も残せず、駅伝にも参加できずに退職します。

その後、あるきっかけを元に、都心から遠く離れた長野県売木村の職員として働き始めます。そのとき、妻子は名古屋に置いたまま。

売木村での仕事は、ランナーとして走ることで売木村を宣伝すること。

フルマラソンのスピード勝負では世界に通用しなかったけれど、フルマラソン以上の距離を走るウルトラマラソン(主に100km)であれば、世界に通用するかもしれない。 

ウルトラマラソンや24時間走の大会に「うるぎ村」の名前が入ったユニフォームを着て出場する重見さん。

なぜウルトラマラソンを走るのか。その答えの一つが書かれています。

 

感想 

残念ながらNHKで見ることができた放送は神宮の24時間マラソンの回だけでした。

書籍の中では終盤に紹介されるところで、もっと前半から見れなかったことを残念に思いました。

なぜウルトラマラソンを走るのか。
フルマラソンですら肉体の限界に近いと言われているのに、さらに長い100kmもの距離を走るとなると肉体の限界を超えているとは間違いないでしょう。
私自身、野辺山ウルトラマラソンを完走したけれど、明確な答えは見つかっていません。
筋肉も内臓も精神も限界近くにまで追い込んでも、何の勲章ももらえません。
普通の参加者はゴールした記録と完走メダル程度のものです。
誰かから強制されて走っているわけでもない。いつ止めても誰からも文句言われない。でも、一歩一歩必ずゴールできると信じて一歩一歩前に足を進めるのです。
 
「走ることが好きだから」
重見さんはインタビューでこう答えています。
ああ、そうなんだ。ウルトラマラソンのトップに立つレベルの人でも理由は単純で、結局はそこに行き着くのか、という安心感を得ました。
ウルトラマラソンは本当に過酷です。精神的にも肉体的にも走り終わった後もしばらくダメージが残りました。
 
野辺山ウルトラマラソンが終わってから、モチベーションは上がらないし、走っても調子が上がって来ないのです。
達成感でいっぱいになったというより、次の目標がなかなか見つからないという方が正しいのかもしれません。
どうにも、モチベーションが上がらないまま迎えた大阪マラソンは、案の定ひどい結果になってしまいました。
 
でも、重見さんの「走ることが楽しいから」という言葉を見て、ああ、そうか、もっと単純に楽しむことから始めればいいんだ。
初心に帰る、という言葉があるけれど、そもそも自分はどうして走っているのだろう、そのことを思い出させてくれる一冊でした。
 
小さな村のウルトラランナー

小さな村のウルトラランナー