【読書】「察しない男」と「説明しない女」のモメない会話術(五百田達成)
同著者の前作「察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方」が男女の違いを書いた理論編だとすると、本作が実践編といった感じ。
前作を読んで
「理屈は分かったけど、どうすりゃいいんだよ!?」
と拳を振り上げた人向けに簡単に対処法を書いた一冊。
本書のポイント
本書をまとめると3つのポイントに整理できます。
- 男と女は根本的に違う
- 相手を理解する努力を
- お互いに歩み寄って円満に
男と女は根本的に違う
差別でもなんでもなく、男と女は根本的に違うということを理解するのが第一歩なのです。
もちろん、性別だけで全てが決まるわけではなく、男よりの女、女よりの男、もいるし、ビジネスとプライベートで上手に表現を使い分けている人もいます。
ただ、傾向として男女が違うことは多いので、なぜそのような思考になっているのか、その背景にあるものを知っていると理解できるかもしれないのです。
- 野球で育った男、ママゴトで育った女
- 全体の世界の男、半径5mの世界の女
- 男は結論を出したい、女は話して共感したい
男は序列の中で役割を与えられることで自分の存在を認知し、ゴールに向かって最短距離で効率的に物事を進めようとする。
女は周囲との調和を重視し、自分が他人の役に立ち、感謝されることで自分自身の居場所を認知し、直感的に物事を進めようとする。
良い悪いではなく違う
このことを理解することが大切なのでしょう。
相手を理解する努力を
人間、自分自身のことすらちゃんと理解できていないのに、他人しかも女性を理解するなんて無理難題である。
でも、相手を理解する努力をするのは間違ってはいないはず。
が、女性の部下からの結論まで時間が掛かる報告とか、とりあえず何でも「かわいい」と言っちゃうところとか、合コンでは幹事が一番美人な『幹事MAXの法則』とか到底納得できないけれど、理解だけはしておきたい...が...
本書で最も理解できなかったのが「涙は汗である」ということ。
えー、そんな簡単に涙でるのか、これだけは流石にちょっと理解に苦しむのですが。
お互いに歩み寄って円満に
仕事の飲み会では「だから女は...」という愚痴をこぼす人もいる。
ビジネスの世界では最短距離でゴールに向かう男性的な発想の方が向いているシーンもあるのは間違いないだろう。
が、一方で女性の感性で作り上げる商品も必要であろう。
たまに「ブレスト」いわゆる意見出しをすると、半分以上が女性の場合には、いつ終わるんだろうかと不思議になるくらい女性達が話し続ける。
その中で、まったく役に立たなさそうなこともあれば、これは面白そうだ、というアイデアが出てくることもある。
初めて会った人とも簡単にコミュニケーションを取ることが得意とする女性のほうが、商品企画のブレストなんかは向いているのかもしれない。
男性と女性は違うのかもしれない。
ビジネスでも夫婦生活でも「だから女は...」と思いたくなることもあるけれど、少しは相手に歩み寄ってみてもいいのかもしれない。
そのための参考文書として活用できるか、ちょっと試してみようと思う。
ただし、突然発言が変わると「気持ち悪い」だの「浮気してるんじゃないか」だの余計な疑惑を与えてしまいそうで怖いのだが。