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アラフォーサラリーマンが本を読みラーメンを食べてマラソンを走って旅してIngressする物語。JGCとSFCのダブルホルダーだけどシンプルに生きて行きたいと願う日々。

【書評】トレイルランナー ヤマケンは笑う(山本健一)【感想・まとめ】

世界的トレイルランナー、ヤマケンとは何者か

高校教師にして、2児の父にして、世界的トレイルランナーの山本健一氏、通称ヤマケン

高校時代に山岳部でインターハイ優勝、モーグル選手として全日本選手権に出場しながら、ハセツネ優勝。モーグルの練習のために始めたトレイルランニングを主戦場に変える。

現在、世界の100マイルトレイルランレースで優勝や上位入賞を何度も果たし、テレビ番組「情熱大陸」にも取り上げられたこともある、名実ともに日本のトップトレイルランナー。

ヤマケンはレース中もレース後も笑顔のことが多い。

ゴール後に笑顔になるのは、達成感からくる笑顔であることは容易に想像できるが、160kmもの超長距離を寝ずに走っていながら笑顔を作れるのはなぜか。その秘密に迫る一冊。

 

トレイルランニングは旅

トレイルランニングは、本当に旅のようなものなのだ。経験も言語も超越してしまう。あるいは、大人の遠足か。人との競争なんて、はっきり言って意味がない。

 

100マイル(160km)もの距離を昼夜関係なく山道を走り続ける。他の選手はライバルでありつつ仲間である。途中、抜きつ抜かれつしながら相手のことを気にしながら声を掛けていく。そんなスポーツはトレイルランニングしかない。

深夜の闇の中、一人で山を走っていると、聞こえるのは動物の動きと自分の呼吸だけ。まるで闇と一体化して野生に戻った気分になれるのだ。

自然と一体化し、野生に近づいた自分を体験できるのも100マイルレースの中だけ。その自分の内に秘めた野生と出会いたい、そのために走っているのである。

 

すべてを受け入れる

勝つことが目標なのではない。自分の持つ力を限界まで発揮することが目標で、結果として順位がついてくる。

かつては順位にこだわっていたが、膝を怪我して手術して絶望の淵にいたときに気がついた。自分に起こったこと、すべてを受け入れるという発想。あらゆる経験は未来のためにあるのだ、と。

自分の限界はどこにあるのか、今の自分はどこにいるのか。それを探し続けるために出る大人の遠足。

その充実感を得るには、日々の練習をきっちり繰り返すしかない。

練習はやったか、やらないか。ただそれだけ。

どんな理由があろうとも、自分自身に言い訳しようとも、練習をやったかやっていないのか。それ以上でもそれ以下でもない。

練習の結果は必ず自分に跳ね返ってくる。

笑ってゴールするため、自分にできる精一杯のことをレースで発揮するため、そのために日々できることを淡々と確実に実施するのである。

 

補給はジェルのみ 

レースに関係ないときには肉、魚などさまざまなものを食べるが、朝食は自作の野菜たっぷりスムージーが定番。

アルコールとコーヒー(カフェイン)は飲まない。かつてはザルのような酒豪で、毎朝コーヒーを飲んでいたが、筋肉によくないとのトレーナーからのアドバイスを受け入れて遮断。もっと速く楽しく走れるのなら、辞めるのはまったく苦にならない。

レース中の補給はジェルのみ。サポートメンバーの中にヴェスパ(VESPA)を扱っている会社の人が入っているので、ほとんどヴェスパなのでしょう。

低GIなので飲んだ後に血糖値が上昇せず、超軽量なので持ち運びに優れている。

VESPA PRO は飲みやすいけどかさ張るのでレース前やドロップエイドで。VESPA HYPERは濃縮小型なのでパンツのポケットに忍ばせておくのがベスト。 

 

 

 

まとめ

トレイルランニングは大人の遠足。

これは仲間うちでもよく話していることです。若い頃よりも山で過ごす時間が楽しくて仕方ない。金銭的に余裕がでてきたことも理由の一つでしょう。

それにしても、ヤマケンの行動だけを見ていると、とてもストイックに見えるのですが、昨日の自分を越えていくために、やりたいことを確実にやっているだけなのが恐ろしいです。

目標を設定し、その達成状況を少しずつトレースしていく。これは青山学院大学箱根駅伝を優勝した原監督が実践したことでもあります。

ただ、まだ100マイルレースは未経験。ヤマケンがいう100マイルだから感じられること、を経験したいな、と思いつつ、まだまだ自分の実力が足りないとも実感。

毎日淡々と確実にやるべきことをやる。簡単なようで一番難しいこと。

限界を作ってしまうのは自分。少しずつ前に、限界を越えていく。

その先に笑顔でゴールできる日を夢見て、昨日より今日、今日より明日、少しでも笑顔でゴールできる日を目指して頑張りたいと思ったのでした。