読書『マラソン中毒者』(小野裕史)でマラソンのテンションを上げる
フルマラソンを走るようになってからマラソン関連の本があると、つい読むようになってしまった。この本も題名だけで気になったので読むことに。マラソンには中毒性があることは自分のレベルでも分かっているのだけど、きっと上には上がいるんだろうな、と思って手に取ったら、想像以上に中毒になっている人がいたっていうお話。
小野さんはとんでもないマラソン中毒者
マラソンを始めて1年半でフルマラソンでは飽き足らず、100kmウルトラマラソンや砂漠マラソンや南極・北極マラソンなど超ロングのマラソンを走ってしまうようになった中毒者。うん、これは本物の中毒者ですね。ちょっと私の周囲にも中毒者はいるけれど、ちょっと半端じゃない。
なんか、そんなところ何故走るの?と普通の人は聞いてしまいそうだけど、マラソンランナーとしてはいつか辿り着いてみたい境地でもある。
そんなレースへの参加の過程やレース経過をとても面白おかしく紹介されているので一気読み。南極や北極のレースが「とりあえず町まで来い」みたいな招集の仕方だというのは本当に笑った。こりゃ参加するだけでも一苦労なレースなんだな、と。
砂漠、北極、南極を走るなんて、さぞかし学生時代からマッチョな人で今も練習する時間がたっぷりある人なんだろう、と読む前は勝手に想像していたのだが、実は運動はほとんどしたことがなく、東大大学院を卒業して今は経営者兼投資家で既婚。
うーん、なんというハイスペック。しかも年齢は同じようなもの。明らかに自分より忙しい人がこれだけの結果を出している。自分が「練習の時間が取れない」などと言っているのが恥ずかしくなってしまう。おそらく、あらゆる社会人ランナーが感じている練習時間の確保問題について、著者の小野さんほど上手にクリアしている人はいないのではないだろうかと思う。
人生は短い。今を楽しむべし
この本を読んでいて思うのは、あらゆることに全力を注いで楽しんでいる姿。こんな風に練習すればいいじゃないか、こんなことができるって楽しい、北極を忍者コスプレで走るなんて楽しい、とアクシデントなんかがあっても常に前向き、全力で乗り越えていく姿が印象的。物語の最後にはどんでん返しというか、予想外の展開が待っていて、それもまた人生を楽しむべきだと考える一要素になるのである。
そう、人生は思ったよりも長くないし肉体は徐々に衰えていく。だから、今できることに精一杯力を注いで楽しんでいく。この姿勢が何より大切なんだと教えられた気がする。
面白そうだなと思ったレースにはノータイムでエントリーする「ノータイムポチリ」。一つのレースを出るかどうか悩んでいるうちに定員に達成して後悔するような自分とは大違いである。人生は短い。悩んでいる時間があるなら申し込んでから考えればいい。ちょっとだけお金は勿体ないけれど。とりあえず出るか悩んでいたレースを一つエントリーしておいた。まずはここから。
仕事が忙しい、天気が悪い、子供と遊ばなきゃならない、言い訳なんていくらでもできる。でも、自分が楽しいと思っていることなら時間は作れるはず。そう、まだマラソンを徹底的に楽しめていないのかもしれない。
人生を楽しもう。マラソンを楽しもう。フルマラソン、ウルトラマラソン、トレイルランと明確な目標を定めて、日々を楽しみながら達成したいところである。
なお、この本はマラソンの技術的なこととか練習内容は書かれておらず、ある程度マラソンを走れる人が世の中には色んな人がいるんだなー、ということを知ることができる本。フルでサブ4は達成したけど、ちょっと弛んできたな−、という人にオススメの一冊。
マラソン中毒者 北極、南極、砂漠マラソン世界一のビジネスマン
- 作者: 小野裕史
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/09/09
- メディア: 単行本
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