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新しいマラソンの教科書になりそうな「マラソンは3つのステップで3時間を切れる!」白方健一

マラソンは3つのステップで3時間を切れる! の要約と感想です。

 

練習にはメリハリを

長距離を走る「筋持久力」と、速く走るための「スピード持久力」が必要で練習のバランスが必要です。

LSDは筋持久力を向上させるがスピード持久力はつかないのに、距離を稼ぐためにLSDばかりやっていると、後半失速するような足になってしまうのです。

この両方をバランスよく身につける練習をする必要があります。

3ヶ月3ステップの練習

夏、秋、冬の3つのマラソンシーズンと捉え、各々3ヶ月の3ステップで調整します。

冬シーズンのレースが終わった4月から7月ころは休養期という位置付けです。

3ヶ月のさらに細分化して、「準備期」、「走り込み期」、「仕上げ期」と定義して本番レースに向けて調整していきます。

なお、マラソン大会の間隔が短い場合には、「準備期間」を省略するなど多少の調整が必要です。

基本練習パターン

毎日の疲労抜きジョグと週2回ポイント練習。

走行距離の10%程度をポイント練習に割り当てますが、それ以上増やすと故障の危険性が高まるのでメリハリが大切です。

距離信仰を捨て、必要な練習をした結果、月間走行距離が300kmになった、などと考えるほうが自然です。単純な走行距離よりも走行時間を指標にしてもよいでしょう。

【準備期】

平日:ジョグ60分(レースペース +1分)

火or水:1kmインターバル5本(レースペース -30秒)

土曜:クロスカントリー60分(レースペース +20秒)

日曜:トレイルラン180分

ジョグは疲労抜きと有酸素運動によってベースを鍛えることが目的です。

平日はジョグで繋ぎ、火曜日か水曜日にインターバルかレペのポイント練習を入れます。

週末のクロカンとトレランでは不整地に着地することで、体幹部を鍛えるとともに、インターバルとレペでスピード持久力をつけつつ「最大酸素摂取量」を底上げします。

 

【走り込み期】

平日:ジョグ60分

火or水:インターバル5本(レースペース -15秒)1000mから200mずつ短くする

土曜:クロスカントリー75分(レースペース +10秒)

日曜:ロング走20〜30km(レースペース +30秒)

平日ポイント練習は大きな変更はなく、週末のトレイルランをロングのペース走に変えて、長い距離を一定のスピードで走る足を作ります。

 

【仕上げ期】

平日:ジョグ60分

平日と週末のポイント練習は毎週内容を変更します。

5週前:ペース走12〜16km:レースペース±15秒、距離走30-40km:レースペース+30秒

4週前:ペース走12〜16km:レースペース±15秒、距離走25-30km:レースペース+15〜30秒

3週前:ペース走8〜12km:レースペース±15秒、距離走20km:レースペース

2週前:ペース走8〜12km:レースペース±15秒、距離走10km:レースペース-10秒

1週前:ビルドアップ6000m、レースペース+10秒から始めて2000m毎に10秒アップ

距離も長くペースもゆっくりなところから始め、最終的には距離は短くてもレースペースより速いペースで追い込みます。

 

心拍トレーニング

ジョグ、インターバルも目標タイムを設定していますが、その日の体調や確実に身体を追い込むにはタイムではなく心拍数を目標値として設定するトレーニング方法です。

これにより、体に与える負荷を一定にすることが可能となります。たとえば、タイムは追い込めなかったけど、運動強度としては十分追い込めた、などと捉えることができます。

心拍数ベースでトレーニングすると、無理にペースを決めて追い込まなくなるため、けがをする可能性も低下します。

心拍トレーニングを行うためには、最大心拍数を計算で求め、安静時心拍数を計測してターゲットとなる心拍数を決定します。

最大心拍数は計算で理論的に算出できますが、安静時心拍数やランニング中の心拍数をリアルタイムで把握するには、立ち止まって指で脈拍を計るより、心拍計の装着が確実です。

心拍数の算出

最大心拍数:(220-年齢)

目標心拍数=(最大心拍数ー安静時心拍数)* 目標強度+安静時心拍数

各練習での目標心拍数

ジョグ:60%

インターバル:85-95%

ミドル走、距離走、ペース走:75%-85%

クロカン、トレラン:80-85%

 

GARMIN(ガーミン) ランニングGPS 心拍計内蔵 ForeAthlete225J 147216

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シューズは3足を履き分ける

ジョグ用は底が厚いもの

疲労抜き目的のジョグはクッション性に優れた底の厚さと、前に進む推進力を持った靴がおすすめ。

 

【アシックス:ニューヨーク】 

伊藤新選手、川内優輝選手もジョグ用で使っているというアシックスの名品。ニューヨーク・シティ・マラソンでの装着率がとても高いことでも有名です。

アシックス ニューヨークシリーズはこちら

 

スピード練習用は最薄

ポイント練習はインターバルやペース走が中心。最軽量の靴を履いて飛ぶように走る気分やストライドを経験できます。

【アシックス ソーティ】

トップアスリート向けに作られた超軽量スピードシューズ。フルマラソンをこのシューズで軽やかに走り抜けたいと思わせる憧れのシューズ。

スピード練習用の短距離でその羽根のような軽さを実感してみましょう。

 

 

アディダス アディゼロ takumi sen】

長年アシックスでマラソン選手専用ランニングシューズを作っていた名人「三村」氏が監修して作った靴。takumi sen(戦) はソーティをターゲットにした超軽量薄底シューズです。

 

 

レースは勝負用に名器と呼ばれる好きなものを

【アシックス ターサージャパン】

ターサーシリーズの中でもジャパンの冠をもつシューズ。昔から変わらない製法で日本製にこだわった一足です。 

やはりレース会場で「Japan」の文字が入っているシューズを見ると速そうに見えるものです。そして、実際に履いてみると気が引き締まる思いがする一足です。

アシックス ターサーシリーズを見る 

 

アディダス アディゼロ takumi ren】

takumi sen シリーズがソーティをターゲットに据えたように、takumi ren(練) はターサーをターゲットにしています。重さやソールパターンもターサーシリーズに似ているので、あとはデザインと履き心地から選ぶといいでしょう。 

adizero takumi ren シリーズを見る

 

日々の栄養補給と食事について

練習直後の補給に「飲むヨーグルト」

練習直後には「飲むヨーグルト」が糖質とタンパク質がバランスよいので最適とのこと。他にも乳酸菌が胃腸の働きをよくしてくれます。

 

 

また、1時間以内に糖質、タンパク質、脂質のバランスが取れた食事をきっちり取ることが大切。運動後1時間以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、肉体の回復に最も重要な時間帯なのです。

タンパク質を多めに摂取する

筋肉を作る素になるタンパク質。ランナーは運動をしていない人の1.5倍は摂取するべきと言われています。

タンパク質は肉、魚、卵に多く含まれていますが、食品にはタンパク質以外にも糖質や脂質が含まれているため、太りやすい体質の人は大量に食べると体重が増加してタイムへの影響が心配されます。

そこで、大豆や乳清を原料にしたプロテインを利用する方法があります。プロテインは無駄な成分やカロリーがないため、タンパク質を効率的に吸収できます。

初めてプロテインを飲むなら、ザバスアクアホエイプロティンシリーズが水で溶かすことができて飲みやすい味付けです。

 

ザバス アクアホエイプロテイン100 グレープフルーツ風味【40食分】 840g

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最近はプロテインアミノ酸が一緒になったサプリメントも発売されています。

プロテインアミノ酸を別々に飲むのは費用面でも手間の面でも簡単でお得です。発売されているのはアミノバイタル(味の素)のみで、まだまだこれからの分野です。

 

アミノバイタル アミノプロテイン レモン味 30本入パウチ

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アミノ酸ローディング

練習で破壊された筋繊維を復活させるにはアミノ酸の補給が必須です。

特にBCAAと呼ばれる必須アミノ酸であるバリン、ロイシンイソロイシンの補給が重要といわれています。

ランナーとしては日々の練習後にアミノ酸を補給して筋肉の再構成を促すとともに、毎日多めに摂取することで、体内エネルギーの利用効率を高めることが可能になります。

BCAA以外にも必須アミノ酸が豊富に含まれたサプリメントが「エッセンシャル」(GNラボ)です。

通常、BCAAのみで構成されることが多いアミノ酸サプリメントの中で、いわゆる必須アミノ酸を全て含んでいるので、総合的に肉体を作ることができます。また、アミノ酸含有量が多いのに、一日あたり100円以内というコストパフォーマンスも圧倒的です。

 

 

エッセンシャル(GNラボ)は通販でしか購入できませんが、町のドラッグストアでも簡単に購入できるアミノ酸サプリメントが「アミノバイタル」です。

特に価格面では大量に購入することで相当安く買うことができるので、いつでも簡単に買えるアミノ酸、という観点ではおすすめです。 

 

アミノバイタル GOLD 30本入箱

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アミノバイタル プロ 30本入箱

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レース中の補給

フルマラソン中の補給は高濃度ジェルがおすすめです。飲むタイミングとしては15、25、35キロ地点の3ヶ所です。

最近はポケットが多いタイプのパンツも増えましたし、ウエストポーチタイプの物が増えたので、持っていく分には問題ないでしょう。

ただし、ジェルの味は様々なので、自分が好きな味を事前に試し、お気に入りのものを持って本番に挑むのがいいでしょう。

なお、カフェイン入りは覚醒要素があるものの同時に利尿作用が働くので、最後の35km地点での補給がおすすめです。

フルマラソンのポケットなどに入れて持ち運ぶのなら高濃度タイプのジェルが薄くて軽いので負担になりにくいです。

「ショッツ」と「パワージェル」が高濃度タイプジェルの人気商品なので、自分ご好みの味を早く見つけましょう。

 

shotz ショッツ エナジージェル (カーボショッツ) おためし6味 45g×6個

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【PowerBar GEL】パワージェルおためし10個セット (各2個)

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全体の感想

繋ぎのジョグとポイント練習

練習にメリハリをつけ、繋ぎのジョグと週1回程度のポイント練習の組み合わせは「マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる! 」と基本的には同じメソッドです。

ジョグは厚底シューズを履いてゆっくりと足の血流を良くして、基礎を作って有酸素運動で体脂肪を燃焼させます。そして、ポイント練習でインターバル走やペース走でスピードや最大酸素摂取量を向上させるという考え方です。

これも上述の「マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる! 」や「非常識マラソンメソッド ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヵ月で3時間13分!」で同じような考え方示されています。

厚底シューズでジョグして薄いソールの靴でポイント練習、のパターンは川内優輝選手、藤原新選手が採用しているようです。また、五輪カンボジア代表になった猫ひろし選手もジョグは厚いソールの靴を使っているようです。

 

心拍トレーニング

ジョグやインターバルのペースについて、目標とするフルマラソンのゴールタイムに合わせたペースも紹介されていますが、カルボーネン法で計算する心拍数を利用した追い込み方のほうが、タイムを気にするよりも良さそうに感じます。

マフェトン理論では(180−年齢)を心拍数の上限値に設定した練習をベースにしますが、私自身がカルボーネン法で算出してみると心拍数139は約65%という数値になり、ジョグのペースよりも少し速い感じでした。

カルボーネン法での計算には、安静時心拍数をある程度正確かつ定期的に計測することが重要ですが、ベルトを装着するタイプの心拍計の場合、朝起きてから改めて胸に付けるため、寝起きの正確な数値が取れない可能性があります。

そこで、新しく購入した手の甲で心拍数を計測可能な「GARMIN(ガーミン) ランニングGPS 心拍計内蔵 ForeAthlete225J」でしばらく安静時心拍数を定期的に測定しながら、ジョグの時の最適な心拍数を探す必要がありそうです。

レース中の補給と食事

レース中の補給ではジェルの定期的な摂取が推奨されていて、これは「非常識マラソンメソッド」シリーズの岩本さんが提唱されています。

一方、巻末で著者と藤原新選手の対談では、糖質を補給することに反対されています。では一体どのような補給をすればよいのか、市民ランナー向けの対案は示されていませんが、そもそも、糖質を燃焼させるのではなく、脂肪を燃焼させる肉体を作り上げることが大切なのでしょう。

となると、やはり心拍数と普段の食事を意識することが必要であり、マフェトン理論で提唱されている「糖質:タンパク質:脂質=4:3:3」のバランスを食事では気にする必要があるのでしょう。

なお、副題になっている「運動経験のない50歳のオジサン」は具体的には登場しません。

他にもレース自体を3ステップの練習にする、などの考え方が紹介されていたとても参考になりました。何を教科書にしてマラソンを練習するか悩むものです。私自身もよく分かっていませんが、一度、この本の内容を信じて2015年冬シーズンを過ごしてみようと思います。