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【書評】市民ランナーのためのトレーニング本『「3時間切り請負人」が教えるマラソン目標タイム必達の極意』【まとめ・感想】

ミズノランニングクラブの監督が、自分も含め数多くの人に目標を達成させてきた練習方法の極意を伝授する一冊。サブ3、サブ4、サブ5など達成目標が違っても基本的な考え方は同じでとってもシンプル!

追い込む辛い練習は不要

インターバル走などのスピード練習、30km以上のロング走など、追い込む辛い練習は不要
スピード練もロング走も身体にダメージを蓄積するだけで、怪我やレース本番での失速の原因である。
追い込んだ練習をすると満足感は高まるが、スピードも筋持久力も高まらず怪我のリスクだけが上がる。
 

基本は60分ジョグと15kmビルドアップ

基本練習は日々のゆっくりペース(目標レースペースプラス1分くらい)から入るつなぎの60分ジョグ。ラスト1kmを無理にペースを上げるのではなく、自然に上がるくらいのペースで締める。
具体的な数値ベースではなく「鼻から息を吸える」ペースで実施する。
週に1回ポイント練習として実施する15kmビルドアップ走はラスト数キロをレースペースにする。
普段の練習は目標レースペースより速いペースに追い込む必要はない。
大切なことは、簡単にできることを毎日継続すること。できる人は通勤ランを有効に使いたい。
 

インターバルとロング走は確認程度で

インターバル走やロング走は目標を決めて実施するのではなく、あくまで自分の走力を確認するためのもの。それも月に1回程度まで。
30km走をやったから30km走れるようになるのではなく、日々の積み重ねの結果、30kmを走れるようになった、と発想を変える。
 

フォームは気にしない

フォームは速いペースで走るようになると自然に変わる。骨格は人によって違うのだから、無理しなくていい。ただ、気をつけるポイントはある。
・猫背にならない
・肩を力ませない
・「腰高」を意識する
・アゴを上げず視線は少し先に
 

レースへの準備もいつも通りで

レース2週間前であっても基本はいつもと同じ練習。一週間前あたりにビルドアップ走でレースペースより10秒程度早いタイムで仕上げる。
カーボローディングは不要。普段と同じ食事でいい。お酒やカフェインを断つ人もいるが、基本はいつもと同じでいい。
レース前の待ち時間が寒いので、手袋の内側に使い捨てカイロを入れ、ランニング手袋の外側に使い捨てビニール手袋を着けるとよい。
タプソール8は塗った場所から暖かくなるので、ランニングウェアに着替えた後に塗るといい。
 
 
 

レース本番の心構え

最初の5kmは準備運動ととらえ、レースペースプラス10秒くらいで入る。
5kmから15kmはレースペースで巡航。
15kmから25kmはレースペースよりも少しだけ速いペースで行く。
折り返しの半分の時点で3分くらいの貯金を目安にし、以後レースペースをキープする。
後半ペースを上げるネガティブスプリットやイーブンペースは難しいので、後半は少し失速する前提でプランニングする。
単独で頑張ろうとせず、ペースやステップが合う人を集団の中から見つけて、自分なりのペースメーカーに設定する。
練習は単独で、レース本番は他人の力を有効に活用するのがポイント。
フルマラソンならエナジージェルは不要。エイドステーションにある補給食とスポーツドリンクで十分。レース前にアミノ酸サプリメントを一袋だけ飲む。
 

まとめと感想

辛い練習や苦しい練習はしない!つなぎジョグ60分と15kmビルドアップ走だけ、というのは衝撃的な練習量の少なさですね。
「ゆっくりジョグとポイント練習のみ」の組み合わせは『マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる』で、15kmビルドアップ走は『非常識マラソンメソッド』で提唱されている練習方法です。
共通しているのは低強度のトレーニングで体脂肪を燃焼しやすいベースとなる体を作り、ビルドアップなどスピード練習をプラスするという点です。
体脂肪を燃焼しやすい体にするには、心拍数を基にした心拍トレーニングが最適です。マフェトン理論に沿って最大心拍数を(180-年齢)に設定してのジョグがいいでしょう。
これくらいのペースであれば楽に鼻で息を吸えるからです。
 
週末にインターバルとロング走のセット練習を続けていたら、左の太もも裏に違和感を感じるようになり休養しています。
この本を読んで、強度を下げたジョグを繰り返す練習に切り替えていこうと決めました。
トレイルランニングでロングに行くのは、トレーニングではなく日々の練習結果確認として、なにより山の中を走る大人の遠足を実感するためにやることにしよう。
毎日、できることを確実に続けていく。この言葉を胸に刻んでいこう。
 
市民ランナー向けの本としてオススメの一冊です。