AT値の計算と有酸素運動によるマラソントレーニング
マラソンを効率的に練習するには、AT(Anaerobics Threshold) 無酸素性代謝閾値を意識するとよい、と聞いたのでちょっと調べてやってみたメモ。
AT値の定義
運動の強さを増していくとき、筋肉のエネルギー消費に必要な酸素供給が追いつかなくなり、血液中の乳酸が急激に増加し始める強度の値。
軽い運動から運動の強さが徐々に増していくとき、有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点となる運動強度のレベルのこと。英語では「AT: Anaerobics Threshold」といい、日本語では無酸素性作業閾値とも表します。
- 有酸素運動と無酸素運動の境界値のこと
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AT値より低い値では有酸素運動となり、 糖質よりも脂質を中心に運動エネルギーを生成するため、長時間持続しやすくなる
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AT値より高い値では無酸素運動となり、糖質中心に運動エネルギーを生成するため、馬力は出るが短時間しか持たない
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AT値は相対的なものであり、個人によってAT値の境界となるスピードは異なる。単純にトッププロはAT値でのスピードは速く、初心者の方がスピードは遅い
AT値の実測と推定
- AT値を精密に測定するにはスポーツセンターなどで呼気などを収集して計算する。ただ、どこにでもある訳でもない上に有料。
- 簡易的に自分のAT値を求めるのであれば、最大心拍数の80%が目安となる。
- 最大心拍数の80%を求めるには、最大心拍数のみでなく安静時心拍数も組み込むカルボーネン法がよい。
- 計算式:(最大心拍数 - 安静時心拍数)* 0.8 + 安静時心拍数
- 最大心拍数は(220-年齢):174
- 安静時心拍数はGARMIN 935 の測定結果:48
- ((220-46) - 48) * 0.8 + 48 = 148
AT値とマラソントレーニング
- AT値はトレーニングで向上する
- 同じ心拍数で走ってもペースが速くなる。AT値以下は有酸素運動で脂肪を燃焼してエネルギー変換するので長時間走れる。
- AT値向上のためのトレーニングは、AT値近辺(AT値以下)で走ること。
- AT値以下の有酸素運動トレーニングの重要性は、シューズメーカーonのサイトでも説明されている。
現状のAT値での実力を知る
- Garminではゾーン3が心拍数70%から80%に設定されている。
- ゾーン3を上回らないようにアラートを設定してランニング。ペースを見ずに心拍数のみを画面に表示する。
- 17㎞走って平均5分55秒/kmのペース。
AT値トレーニングの感想と今後
最大心拍数の80%以下で走ると、長時間疲れずにペースをキープできることが分かった。ただ、もう少し昔は心拍150なら5分15秒/kmで走れていたような気がするので、年齢か、トレーニング不足か、怪我のせいか、いずれにしても衰えた。
フルマラソンのタイムを縮めるよりも、ウルトラマラソンを確実に完走できるようになりたいので、このAT値トレーニングは最適かもしれない。
しばらくはこれで身体を脂肪燃焼系に慣らしてから、インターバル走などのVO2maxを向上させる無酸素運動を10%くらい混ぜていきたい。