心拍トレーニングのすすめ
勢いでエントリーしてしまった野辺山ウルトラマラソン完走を目指し、ゆっくり長く走れるような身体作りを行う必要がでてきた。
フルマラソンよりもペースは遅いものの、長い時間を走るのだから、いかに一歩一歩を省エネで走ることができるのか、体内エネルギーを効率的に使い、上手な補給をすることがポイントになるはずである。
ウルトラマラソン向けの練習は何をすればよいのか
「ウルトラマラソンのすすめ: 100キロを走るための極意」の中では、実際にレースを走るペースと同じ、もしくは少し早いペースでの練習を基礎とするべき、とある。
ウルトラマラソン完走経験者に聞いたところ、いかに体内の糖分ではなく脂質を消費しながら走れるようになるかがポイントになるとのことであった。
今、自分自身の体脂肪率はおおよそ12%、体重が70kg前後なので単純に脂肪は8.4kg存在する計算になる。体内に蓄積可能な糖分(グリコーゲン)に比べると大量に存在しているので、この脂質をエネルギーに変えて走ることができれば、ウルトラマラソンのような超長距離完走も夢ではないのである。
有酸素運動と無酸素運動
人間の肉体は、100メートル競走のような息がゼーゼーハーハーするような激しい運動をすると体内の糖分を大量に消費し、軽い運動を長時間実施すると脂肪を燃焼するという特性がある。
息が切れるような運動を無酸素運動、軽い運動を有酸素運動という。長時間有酸素運動をするのがダイエットに向いているというのは、この有酸素運動によって脂肪をエネルギーに変えることから来ている。
理論上、有酸素運動と無酸素運動の境界値ギリギリの有酸素運動の範囲で走れば、最も長い距離を最も速いスピードで移動することが可能になる。
その境界値は人によって異なる。トップアスリートと運動してないで雲泥の差があり、どのくらいのペースで走ると息が切れるかは当然異なる。では、何を目安にペースを設定すればいいのか。それで出てくるのが心拍数である。
心拍数とは何か
心拍数とは一般的に1分間に心臓が何回鼓動するかの数値で bpm という単位で現される。
心臓は人によって違うため個人差があって、一般なら安静時の心拍数は60前後だけど、トップアスリートは40前後だという。
これは一回で送り出せる血液量が増えると、少ない回数で体中に必要な血液を運べる。激しい運動をしても心拍数が上がらなければ、息切れしにくく疲れにくい体になる。
心拍数の上限
心拍数の上限値は個人差があり、厳密に測定するには病院やトレーニングセンターで専用の器具と専用のコーチについて測定する必要がある。
全員がこれを実施することが難しいため、簡易的に(220-年齢)を最大心拍数に設定することで代用できる。
例えば、40歳だとすれば最大心拍数が180になる。この180に近付けば近付くほど運動強度が高く、長時間維持することが難しい短距離走的なものになるという理屈である。
脂肪燃焼と心拍数の関係
ウルトラマラソンのような長い距離を走るためには、効率的に脂肪を燃焼できる心拍数をキープするのが理想的となる。
では、それは具体的にはどの程度の心拍数がよいのか、様々な理論があるが、かつてトライアスロン界で話題になったマフェトン理論の考え方を支持する人が多い。
それは、(180-年齢)を最大心拍数に設定して、常に下回った心拍数で走り続けるという練習法である。このマフェトン理論によると、40歳の私の場合に設定すべき最大心拍数上限値は140となる。
練習の内容としては、最初に15分間かけて徐々に心拍数を上げていき、最大心拍数で一定時間トレーニングした後、15分程度掛けて心拍数を落としていくことになる。
たとえ坂道であっても最大心拍数を越えてはならず、最初は歩くことになっても最大心拍数を維持しなくてはならない。
この練習を繰り返していくことにより、徐々に同じ心拍数でも速いペースで走れるようになり、登り坂でも走れるようになるのだという。
マフェトン公式
このマフェトン公式(180-年齢)の心拍数は、最も効率的に体脂肪を燃焼させることができる心拍数であるという。
これは最も長い距離を走るのに適した心拍数であると同じ意味なので、ウルトラマラソン向けのトレーニング理論として最適なのではないだろうか。
現に、マフェトン理論実践者の中には、アイアンマンレースの世界チャンピオンや日本のトライアスリートがいたので、長距離系の競技に向いていると考えられる。
まとめ
以前、ある方からサブ3用の練習でも基礎は心拍トレーニングであると説かれた。
その際は135という絶対的な数値を示されたが、マフェトン理論の場合は年齢を差し引くのだが、それでも140が目安の心拍数である。
つまり、どちらの理論に沿っても130代後半から140が一つの目安になる。脂肪を効率よく燃焼させて長く動き続けられる肉体の基礎を作る。ウルトラマラソンやロングトレイルに向けた練習方法として取り組んでみるには良さそうである。
心拍トレーニングのための道具や感想はまた次回。
体脂肪を燃やすカラダになる! 新・実践 マフェトン理論 (別冊宝島)
- 作者: 中塚祐文
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/09/27
- メディア: ムック
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (5件) を見る