読書「GAFA(スコット・ギャロウェイ)」から考える脱GAFAとか
やっと図書館で順番が回ってきたので、今さらながら「GAFA」を読むことに。
Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字をとって「GAFA」と称するのだとか。アメリカITの巨人たちのサービスは、いつの間にか生活の中に溶け込んでいて、いかにしてGAFAが今も立場を築いたのか。そして、これからはどうなるのかを説いた一冊。
シンプルなユーザーインターフェースと精度の高さで人気が出た検索エンジンが、まさかここまでインフラを仕切るような会社になるとは思わなかった。
検索エンジン
著者自身がGoogleが要求する情報アクセスに対して、新聞社としてどう対抗すべきか戦った過去が一番面白い。
一時期は無料で様々なニュースにアクセスできたが、最近は日経新聞も朝日新聞も一部記事のみが無料で、ほとんどが有料となった。
Googleはさまざまな情報を集めてくるが、自らが情報を発信するわけではないので、その情報の中身については責任を負わないスタンスである。
少し前に日本国内で話題になったのが、医療・健康情報で検索結果上位のサイトが、本来の医療情報とは誤った内容であり、「医者監修」というのも虚偽だった。検索結果で上位に表示させるためのSEOを駆使して上位表示させ、広告やアフィリエイト収入を狙っているのだ。
もっとも笑ったのが、普段は健康食品のサイトを運営しているアフィリエイターが、いざ自分の健康状態が気になって検索したときに「ペラペラのサイトしかヒットしなかった。」と嘆いていたが、君のビジネスってやってること同じだよねと思った。
あるいは、他人のサイトの内容をほぼコピペして写真も盗用しただけのサイトが上位に表示されていたりした。
Googleの検索結果で上位に表示されているからといって、すべてが信用できるものではない、という情報リテラシーが必要な時代になっている。
ただ、現実問題として、検索エンジンはBingがあまりにもダメだし、Yahoo!はすでに独自検索エンジンのYSTの開発を終了し、内部はGoogleの検索エンジンを使っている。検索エンジンに関してはGoogle以外に存在しないのが実態なのだろう。
Gmail
Googleが社内で使っていたメールが無料で使えるようになる。最初は招待制だったGmailも使いやすいので、すっかり手放せなくなってきた。
一応、ISPのメールも持っているのだが、完全にGmailに頼り切っている。
ただ、中身を検索していることは宣言しているので、本当に大事な内容のメールはGmailで使わないようするしかないか。
Chrome
すっかりブラウザのシェアトップになってしまったChrome。軽くて描画が素早くシンプルなエンジンと、複数OSやスマホとも連携できるのが強みで広がった気がする。
ただ、いつの間にか大量にメモリを食うようになり、最初の強みがなくなってきている気がする。
MicrosoftがIEとEdgeでうまくいってないので、ほかの選択肢としてはFirefoxになる。動作が重くなってしまったが、今は軽くなってスマホアプリもアカウント同期機能もあるので、乗り換えには適している。実際、使っていて特に不満はない。
日本語入力IME
検索エンジンで入力されたキーワードをもとに日本語変換エンジンを無料で提供するようになった。
最初は使ってみて流行のキーワードの変換などが優秀だったが、ビジネス文章だったり長文になると検索効率が途端に悪くなる。
やっぱり最終的に強いのはATOK。日本語の長文変換には一日の長がある。月額のサブスクリプションモデルになって使いやすくなった。
Google docsとSpreadSeet
クラウド上でワープロソフトやスプレッドシートを無料で使える。WordやExcelとほぼ同等のことが無料ででき、かつ、複数の端末からでも利用できるのがメリット。
また、複数人で同時に編集できる機能が優秀。
最初は面白がって使ってみたが、あえてクラウドのものを使う理由もない。ローカルで普通にWordとExcelで管理して、バックアップを取ればいい。
Google Maps
世界中、どこに行っても自分がどこにいて、どう動けばいいのか分かる。これはあまりにも便利すぎる。
代替手段はアップルのiPhone独自地図だが、それじゃ同じGAFAじゃないか、と。
ちょっとこれはやむを得ないか。
Google analyticsとAdSense
サイトで何らかの広告収入を得ようとすると、この二つは外せない。というか、ある意味これに頼らないと雑記系のサイトでの収益は難しい。
日本国内にも似たようなタイプの広告配信会社もあるが、広告種類の豊富さと単価が違いすぎて使う気になれない。
完全にGoogleから逃げることはできないし、やるつもりもないけれど、少しは離れることができそうである。
Apple
アップルコンピュータからアップルへ。そして単なるオタク向けコンピュータ会社から高級ブランドへの転換。アップル製品を持っていること自体が、その人間自体を高付加価値の人間に見えるようにしたことが大きい。
そして、一人の天才とカリスマ性を持った者の神格化。周囲のものは批判することすら許されない、ある意味宗教と化している。
基本的にサードパーティ製の製品接続を許可しておらず、新製品が出ればその純正品を買うことを「お布施」と呼んでいるのは、その皮肉か。
ただ、アップルショップの無駄に高いテンションの店員は面倒くさいし、修理窓口は「ジーニアスバー」とかネーミングセンスが素晴らしいけど、予約まで一週間待ち。で、行ってみるとiPhoneを落として割った人ばかりで、残念ながらそこに高級感はない。
MacBook Air
初めて買ったMacはMacBook Airでいまも現役である。もう6年経過するのにまだまだ頑張ってくれている。
そのころ、Windowsマシンがどんどん高価になり、OS自体も複雑怪奇な8.0が出始めた。MBAはその美しいフォルムと安い金額で「それ、Macでもできるよ」みたいな流れがあって買ってみた。
ここ最近はWindowsベースのシステム開発だが、昔はUNIX系を触っていたのでちょっと懐かしいこともあった。
しかし、最近は新製品が発表されるたびに落胆していく。ラインナップは少ないけれど、シンプルで価格が安いのが魅力だったのに、モデルもカラーも増えて値段も上がってしまった。
こうなると「それ、Windowsでもいいんじゃない?」である。
いま、MBAの後継機を検討しているが、価格面や周辺機器のことも考えると、MBAを選ぶことはなさそうである。
実際、キーボードも言われているほど打ちやすくないし、コマンドキーとかオプションキーとか多いし、まともなテキストエディタ少ないし、Siriとか不要な機能がどんどん増えるし...
iPhone
初めて買ったスマホはauから出た伝説のクソ機IS04だった。
防水なのはいいがGPSをまったくキャッチしない。バッテリー消費が異常に早く、常に放熱していてカイロ状態。ここに書かれていることは嘘のようだが事実である。うんうんと頷いた。
買ったことを激しく後悔しているところに現れたau版のiPhone4Sは神だった。
スムーズなスクロールに感度の良いGPSとバッテリーの持ち。ああ、スマホってこんなに快適なのか、と。
その後、なぜか全面ガラスになったりしたことや、IngressやボケモンGOの影響もあって落として割ったこともあるが、iPhone7まで順調に機種変更をしてきた。
が、もうスマホに10万円以上を払ってまで買う気はない。
ゲームとか色々やったけど、もう飽きた。
メールとかのメッセージ系と、地図と簡単な検索、飛行機や新幹線の予約ができれば十分だということに気が付いた。
自分の記録やブログ用に写真は撮るが、そんな高詳細なものは不要だ。
もうスマホ本体自体にお金をかけるのも馬鹿馬鹿しいな、といまさら感じるように。
次はandroid機でいいかな、と思ったが、これじゃAppleから離れてもGoogleを使うのでGAFAそのものからは逃げられてないな。
中東でのクーデターやアメリカ大統領選挙でもその威力を発揮したというSNS。
アメリカではFacebookから流れてくるニュースを読む人の割合が非常に高く、広告もとても有効にクリックされているということ。
実名を知っている友人との近況報告やメッセージやり取りのみに使っているので、ニュースや広告を気にすることがない。
ニュースや広告は、本人のプロフィールや友人、過去に「いいね」した記事の内容などから分析され、本人が読みたいものが配信される。
つまり、自分が興味を持ったり、知りたいと思った情報だけを読むようになる。反対側の意見をそもそも見ることがなくなり、狂信的になっていく可能性を秘めている。
「人は見たいものだけを見る」と喝破したのはユリウス・カエサルだったが、それが今の時代になると加速している感がする。
フェイクニュースを簡単に信じてしまうのも、その影響なのだろうか。
「複数の新聞を読め」と昔から言われているが、これからの時代はますます重要いなるのかもしれない。
Facebookは使い方を注意したい。
Amazon
全小売店を凌駕した新しいプラットフォームの構築へ。
珍しい本の配送や、PCなどの細かいパーツを探して買うのが便利すぎて、すっかりprime会員として毎月の費用を払ってしまっている。
むかしはAmazonのランキングやレビューは参考になったが、いまはサクラが増えすぎていて、何が正しいのか分からなくなってきた。
検索結果が汚染されているのはGoogleと同じである。
幸いなことに、日本ではAmazonの代替手段がある。
本であればhontoや楽天ブックス、家電製品であればヨドバシカメラやビックカメラ。その他のものであれば楽天市場。
あとは、そもそも公式サイトで買うのが一番いいと思う。
Amazonはある程度使ってきたけれど、本や家電も実際に手に取って見てから買いたい気持ちが強くなってきた。自宅にいながら配送してくれるのは助かるが、少なくともAmazonはなるべく使わないようにしていきたい。
ただ、本屋でも取り扱いが少ない重い書籍とかは、Amazonがやはり便利なのである。あとは日本の宅配業者が優秀すぎて、翌日配送とかが当たり前だと思ってしまう。
脱GAFAとか
改めて整理してみると、Googleのサービスと、Appleの製品をずいぶん沢山使っていることに気が付いた。
GAFAが提供する製品やサービスは魅力的で、自分たちの暮らしがより便利で素晴らしいものになるはずだった。
しかし、最近色々と暴露され始めてきたが、税金逃れをしたり、競合他社をつぶしたり、お金に関してはクリーンとは言い切れない状態になっている。
少なくとも、自分たちが使っている製品やサービスはどういう会社のものなのか、それが社会的にどう還元されているのか、という観点でものを判断してもよい気がする。