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【読書】女帝 小池百合子(石井 妙子)

いつの間にか東京都知事になり、コロナ対策で最前線でテレビに出演しておられるが、なにやらいまいち評判が良くない小池百合子氏。その生い立ちから謎のエジプト留学記を経て政治家になるまでの半生が綴られています。

フィクションなのか、ノンフィクションなのか。

本人への取材ではなく、その周囲への緻密な取材から成り立っているという性格上、その正しさは誰も証明はできない。でも、仮に本書記載内容がまったくの嘘であれば、かなりの名誉棄損に該当するのだから、訴えてもよさそうなものなのですが、本書後書きによると、まだ訴えられていないとのこと。

訴えがないから正しい、と判断するのは早計なので、本書の内容が正しいかどうかは読んだ人の判断に委ねられそうです。

では、個人的にこの話をどうとらえるか、と聞かれると、この人は一体なんなんだろう、と思っていた部分が少し腹落ちした気持ちである。少しずつ感じていた違和感の正体が、ほんの少しわかったような気がするのです。

そもそも『芦屋令嬢』という位置づけらしいのですが、本書にも書かれている生家周辺の描写は、芦屋近辺に住んでいる人であれば「あ、そうですか」という反応が出てくるのに難くない感じですので。

その後、甲南女子から関西学院大学というだけでも不思議なルートで、甲南女子に行くならそのまま甲南女子に行けばいいし、関学に行くなら甲南女子に行くのは遠回りでしかない。

なんか一貫性がないというか、ポリシーがないというか。

で、話題のカイロ大学

エジプトでもエリートが集い、日本人では簡単に卒業することができないという難関大がをあっさり卒業。でも卒業証明書や成績表は出てこないという謎。

本書最大の読みどころは、カイロ大学時代に小池百合子氏と同居していたという女性からの告白文でしょう。

それによると、ただの日本から来たミーハーな女子大生が、周りに迷惑を掛けながら男遊びをして、卒業どころか留年しただけだったようです。

なるほど。興味深い。

 

その後はニュースキャスターから国会議員を経て都知事になる、という、正直、個人的には何が彼女の人気を支えているのか分からないけれど、気が付いたら今のポジションにいる。

彼女は政治がしたいんじゃなくて、政治家になりたかっただけなんだ。

という表現を追っていくと、なるほど、別にポリシーなんてなく目立つことが重要なんだと分かっていく。豊洲って結局なんだったんですかね。

まあ、関西、とくに芦屋近辺の人間は、彼女とは関わりたくない、と思っているでしょうから、東京にいてもらうのがいいんじゃないでしょうか。周辺で誰一人として彼女の話が出てもいい顔をしない、というのがすべてを物語っています。出身小学校ですら何も言わないですからね。

そして、昔からどうして彼女がここまで好かれてないのか気になっていたのですが、本書を読むとその闇を垣間見れた。そういう意味では、価値のある本でした。

 

女帝 小池百合子 (文春e-book)

女帝 小池百合子 (文春e-book)