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本を読みゲームを楽しみ副業アフィリエイトしながらJAL-JGCとANA-SFCで旅する記録

【読書】ついに小田原へ「北条早雲(相模侵攻編)」富樫倫太郎【書評・レビュー】

もうなんだかすっかりライフワークと化しているのではないか思う「北条早雲」伝記の第3弾は、やっと小田原攻めです。

真田丸ではついに秀吉が小田原北条攻めを決意したところ。なんというタイミングでしょう。

派手な合戦シーンはほとんどないものの、その知略と謀によってどのようにして堅固な小田原城を攻め落とすのか。

ヒントは「かっこう」

あの托卵してしまう鳥、かっこうなのですが、どうにも作戦名だけ聞いていても予想がつかないのですが、読み進めていくうちにちょっとずつ謎が解けていきます。

政治力、軍事力、策謀、あらゆる手段を使い、領民をより良い生活に向かわせるために伊豆だけでなく小田原や相模を支配することを決意する、という流れです。

北条早雲と聞くと梟雄のイメージが強いが、本書では人情味溢れ、領民のことだけを第一に考え、考え悩みぬいている姿が描かれています。そして、目の前の事柄だけでなく、数年後、数十年後、自らの死後までを考えた行動を取るのは、現代人にも必要なことでしょう。

すでに完結している「早雲の軍配者」に登場する風魔小太郎はまだ出てこないけど、きっとこの先に登場してくれると期待しているのです。

ただ、次巻がいつ出るのやら。それだけが心配です。

【読書】詳しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください(山崎元)【書評】

タイトルにある通り、難しいことを考えずに投機ではなく長期投資でお金を増やすための超簡単な方法を具体的に解説した一冊です。

いや、本当にかなり簡単なのです。

この本が読みやすい理由

親族の遺産で500万円を入手した独身男性が、このお金をどう運用するのか、楽天証券勤務で投資関係の著書がたくさんある山崎元氏のアドバイスを仰いだ内容が会話形式でまとめられています。

山崎元氏がアドバイザーなので、他の著書から傾向が予想できる通り、長期投資をじっくりやることを推奨。

山崎元氏の主張は他の著書と大きく変わることはないけれど、本書がとても初心者向けだと感じたのは、会話形式で書かれていること。

投資の初心者が疑問に思うことをそのまま山崎元氏に聞いて、それに対しても会話形式で一つ一つ回答していくので、最終的な結論に至るまでのロジックがとっても分かりやすいのです。

本書で推奨してる投資内容

お金を増やす、といっても倍にするなどと言ったギャンブルを行うのではなく、年率5%を目指す。そのために実施するのは以下の事項。

  • 当面必要な生活費は普通預金へ
  • 投資用予算のうち、絶対に減らしたくない金額を個人向け国債10年変動へ
  • リスクが取れる金額を投資へ
  • 投資は手数料が安いETFまたはインデックスファンドを購入
  • 日本株TOPIXインデックスとMSCIコクサイを半分ずつ購入
  • 毎月積み立てとか面倒なので、貯金ができたタイミングで追加購入
  • 多少リスクが取れるなら新興国インデックスファンドも可
  • 住宅ローンは早く返す
  • NISAが年120万円までは非課税なので積極的に使うべし
  • 証券口座はネット証券がおすすめ

リスク資産を日本株と先進国株全体に投資できるインデックスファンド購入が基本構成です。

毎月積立によるドルコスト平均法を採用するのではなく、どうせ考えても株の上昇は読めないのだから、投資に回せる金額を用意できたタイミングで購入する、というのは目からウロコでした。

ネット証券であれば、毎月自動的に追加購入することは可能である。 ただ、そもそも悩んでいる時間がもったいないんで、買えるときに買うというのがシンプルでいいな、と思ったのです。

山崎元氏は、お金を増やすことだけに執着して色々と投資を考えたりするのではなく、自分なりの基本ポリシーを掲げたら、あとは勝手にお金に働いてもらい、自分は投資以外の面でやりたいことや好きなことをやればいい、という考えなのです。

お金は大切だけど、お金にとらわれすぎて人生の楽しみを奪われてしまうと不幸な結果が待っているものです。

サラリーマンとしては、半年に1回のボーナスのタイミングで、個人向け国債投資信託を買い増しするようなルールにしてみようと思うのです。

シンプルに簡単に少しだけでもお金を増やしていきたい。 私みたいなズボラな性格の人に向いている一冊だと思いました。

銀行普通用金から証券口座に資金を移して、とりあえず投資信託をポチッと買ってみました。さて、どうなることやら。

【読書】神鉄はどこに...「神戸電鉄殺人事件」西村京太郎【書評】

西村京太郎といえばミステリー作家の第一人者。その電車の時刻表を使ったトリックを解くために、手元に時刻表を置きながら読んでいたのは、もう数十年前。

久しぶりに手に取った西村京太郎の本は「神戸電鉄殺人事件」

神戸新開地から六甲山を越え、三田や名湯有馬温泉に繋がるローカル路線。普段から使っている訳ではないけれど、有馬温泉までトレイルランした帰りに使うこともあるので、自分に馴染みのある路線なのである。

そんな、特別なにかがわる訳ではない電車が西村京太郎サスペンスの舞台になると言うのであれば、読まない訳にはいかない。そんなことを期待して手に取ったのでありました。

結論:がっかり

東京に住み、横浜のホテルに泊まっていたはずの女優が、なぜか神戸異人館のプールに見知らぬ男と死体で発見された。女優と神戸の接点はまるでなく、なぜか死後になると女優の知り合いを名乗る人物が次々と現れる。女優はなぜ殺されたのか、なぜ神戸にいたのか。

というストーリーと前振りなのだけど、肝心の神戸電鉄は中盤以降にちょっと登場するだけ。しかも、有馬温泉有馬口までの一区間のみ。

時刻表トリックは一切ない。それどころか、誰がどうやってどんな理由で殺したのかも明らかにされない。

舞台としては、神戸異人館エリアと有馬温泉が出てくるが、この舞台の必然性がまったく感じられないし、最終的に理由も明かされない。

ある意味で、読者を謎に包んだまま終わった推理小説であった。久しぶりに時間を無駄にしたと思った。

「犯人は神戸電鉄に乗らず六甲山をトレイルランニングして電車より早く到着したんだ!」

「なんだってー」

みたいな超展開の方が面白かったと思いますまる。

ひどいフードファディズムを見た話

今日はひどいフードファディズムを見たのです。

フードファディズムとは、

フードファディズム (food faddism) とは、食べものや栄養が健康と病気に与える影響を、熱狂的、あるいは過大に信じること[1]。科学が立証したこと以上にその影響を信じ固執していることであり[1]、科学が立証したことに関係なく食べものや栄養が与える影響を過大に評価することである[1]。科学が立証したことよりもその影響を信じ固執していることである[1]。マスコミで流されたり書籍・雑誌に書かれている「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」「あの種の食品は体に悪い」などというような情報を信じて、バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとること[2]。 wikipedeiaより

本人が何を信じて食べたり食べなかったりするのは自由だと思うのだけど、それを他人にまで押し付けたりしないで欲しいのものである。

事の発端はフジパンの「ネオバターロール」である。今はセブンイレブン商品としても売られているみたいであり、人気があるのだろう。

www.fujipan.co.jp

以前、見かけたことはあるけれど食べたことがなかったのだけど、美味しいという人が多いし、1個169kcalというトレラン練習時の補給食としても優秀そうである。

そこに

マーガリンは食べないほうがいい。虫はマーガリンを食べ物として認識しないから。

というコメントが。

マーガリンは危険である。トランス脂肪酸はよくない。プラスチックを食べてるようなものである。

などなど、マーガリン自体が危険であるとの主張は聞いたことがある。

その主張が正しいかどうかは、聞いた各人が判断してマーガリンを食べるかどうかを決めればいい。

だが、しかし、

虫が食べ物と認識しないから

これは初めて聞いた。これはヒドい。ちょっと待って欲しい。

私たちは人間である。

そもそも「虫」が昆虫を指すのか、何を指すのか定義が不明確なことはさておき、虫と人類は同じ物を食べるのか?

それなら、あなたには虫と同じものだけを食べていてほしい。

何を信じるかは個人の自由だが、こんなことをしたり顔で語る私よりも年配の方がいることを知ると、世の中、本当にどうなってるんだろうと思う。

日本の未来は暗い。

こんなことを胸を張って「食生活は大切です」とか言われても信じれるわけないだろ。

とこの分を書いている途中にプラスチックを食べる虫が発見されたという記事を思い出した。

虫が食べ物と認識するのだから、彼はプラスチックを食べるのだろうか。

ぜひとも実行してもらいたいものである。

tabi-labo.com

【読書】好きを仕事にする羨ましさ「ハケンアニメ」辻村深月

辻村深月さんの本を初めて読んだのは「島はぼくらと」でした。離島に暮らす同級生男女4人の抱えた背景、生き方、悩み、感情をとても上手に描いていたのを覚えています。今回もそのような人物の感情表現を楽しめるかと思って手に取りました。

hiro2460.hatenablog.com

さて、今作はアニメ業界のお仕事のお話です。

自分自身がアニメが好きかと聞かれると、ガンダムエヴァンゲリオンを一通り見てはいるものの、毎期深夜アニメ見たり声優の名前は知らなかったりする。世の中から見て「アニメオタク」に色分けされるかどうかと言われると難しいレベルなのではないかと自認してるくらいである。ゆえに、アニメがどうやって作られているのか、どういう人たちがどういう役割で仕事を進めているのか、ほぼ知らないレベルの人間が読んだ感想なのです。

さて、登場人物は「天才と言われるイケメンアニメ監督」、「美人プロデューサー」、「新人女性監督」、「雰囲気イケメン代理店担当者」、「神原画作成者」、「地域振興担当者」、「人気アイドル声優」などなど。

それぞれが、それぞれの想いを胸にアニメ製作に取り組んでいく。しかし、そこには天才としての悩みと葛藤、周囲の人間との軋轢、他人との付き合い、などなど、アニメ業界に関わらず仕事を進めていくうえでは必ずぶつかるであろう話だったりする。

人と正面からぶつかり、悩み、乗り越えてアニメを作っていく。最高のアニメを作りたいと監督、プロデューサー、アニメーターが全力を注いでいく。だが、アニメは製作に多大なる費用がかかるため、アニメ放映後のDVDやBlue-rayの販売収益で元を取る算段で行く。そして、その映像ディスクの売上が最も大きかった作品を「覇権アニメ」と呼ぶ。

うん、覇権アニメなんて称号があることさえ知らなかった。深夜枠で考えたときには録画している人が多いことを考えると、視聴率よりも売上が大きい作品=何回でも見たい作品、という図式になるのでしょう。

同じクールで「覇権」を取るために、かつてアニメの時代を変えたと言われる天才監督と、新人女性監督が対決する、という構図でストーリーが展開されていくのです。

そこには、アニメ制作者たちが睡眠時間を削り、様々な衝突を乗り越えてでも、自分が好きな作品に没頭していく姿がイキイキと描かれています。

ただ、日常的にこんなデスマーチな職場だと、本当に好きじゃないと続かないよな〜、という感じだったりします。机で寝る、パイプ椅子を繋げて寝る、休みが月に数日もない、なんてどう考えてもブラックな職場である。

終盤はアニメの舞台というか、ロケハンで使った場所を「聖地」として取り上げる地方自治体との話が出てきます。正直、個人的には聖地巡礼には興味がないけれど、アニメが好きな人にとっては意味があることなのかもしれない。

偶然ではあるけれど、近所の高校や図書館がアニメのモデルになったことがあり、それっぽい人がたくさん歩いているのは見かけたことがある。ああ、そういう風にアニメを見てる人もいるんだな、これも地域活性のツールとして使えるのかな、などと思ったが、ブームも過ぎると誰も来なくなり、「ああ、こんなものか」とも感じたのです。

最後は大団円で終りを迎えるのですが、賑やかで盛り上がって楽しい終わりであると思いつつ、ちょっとさすがにご都合主義っぽいんじゃないかな、とも感じたのも事実。ちょっと偶然重なりすぎなんじゃないでしょうか...

アニメ業界の仕事の話であって、業界内部の人から見ると「ぜんぜん違うよ」なんか「うん、こんな感じ」なのかは分からないけど、物語の登場人物たちはみんな「アニメが好き」ということだけは共通していた。

自分の仕事が大好き、という人が世の中にどれくらいいるだろうか。少なくとも私自身は好きと胸を張って言える状況ではない。なので、好きを仕事にできている人がちょっと羨ましいな、と思ったのでした。

アニメ業界が好きな人も、お仕事小説が好きな人も、最後はスカっとする楽しさが含まれている一冊でした。

【読書】女性の恐ろしさがたっぷり「最後の花束」乃南アサ

乃南アサの「最後の花束: 乃南アサ短編傑作選 (新潮文庫)」を読んだ。サブタイトルにある短篇傑作選のとおり、全部で11編の短編から構成されている。乃南アサを初めて読んだのは「凍える牙 (新潮文庫)」だったので、そこから考えるとかなり久しぶりに手に取った一冊。

全編、基本的には女性が主人公で、その内面に秘めた感情がどこかで爆発するというタイプの終わりを迎える。そこに共通していえるのは「女性をバカにしたり裏切ったりすると大変な仕返しが待っている」ということ。

双方でセフレだと勝手に勘違いして女の気持ちを無視した男、普段から健気に家事をしていて不満をもらさない妻に勘違いした男、幼なじみの女性と会うときに優しく送り出していると思い込んでた男、浮気相手の女に枕を貸していたことがバレないとタカをくくっていた男...

こうやって書き並べてみると、女性が怖いというよりは、女性の心理を理解していない男がバカだということになのだろう。

ただ、相手の考えていることをすべて理解するのは不可能なのは分かるが、普段の言葉の裏に隠された真意を読み取るというのは本当に難しい。

大抵の男性は「言ってくれなきゃ分からないよ。」と言いたいところなのだろうが、女性からすると「言わなくてもそれくらい察してくれよ。」ということなのか。

これはまさに「察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方」の世界そのものである。この本は読んでいたけど、結局最終的には相互理解は難しいんだなと納得した記憶がある。

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で、この短編集を読んでいると、最初の話はスマホやLINEなどが出てくるのだが、別の話では携帯電話すら登場してこない。ふと作品が書かれた時代を見ると90年代後半の短編が含まれていた。

今の若い人がこの短編集を読んでも、携帯電話やメールすらない時代のことなんて分からないんだろうな〜、と思うような年齢になったのだと自覚しつつ、女性の心理というものは昔も今も変わっていないんだということに気づき、背筋が寒くなる。

自分もきっとどこかで女性の恨みを買っているんだろうか。

考えても仕方のないことなのだが、やはり女性の言動を真に受けるのは止めるようにしよう...

マラソンやトレイルランの補給を消費カロリーを科学的に把握して考える

トレイルランやマラソンレースのときに避けては通れないエネルギー補給。いつ、どのくらい補給すればいいのか、それを科学的な数値で把握し、実践するための手順を紹介。

心拍計で消費カロリーを把握する

消費カロリーを単純に計算する方法としては運動強度体重時間という方法があるが、運動強度は主観的な感覚に頼っている部分があるため、個人の身体能力が考慮されていない状態になってしまう。

特にフラットなマラソンレースではなくトレイルランの場合は、上りや下りが小刻みに変動するので正確に計算するのが難しい。

そこで、心拍計を使うことで消費カロリーをある程度正確に把握できるようになる。心拍数と運動時間などの情報をベースに消費カロリーを計算するからである。

ガーミン(Garmin22J)での消費カロリー計算

私が使っているGarmin225Jでは、心拍数ベースで消費カロリーを計算している。消費カロリーは時計内やガーミンコネクトサイトで確認できる。

hiro2460.hatenablog.com

Garmin225Jの紹介記事はこちら

時計内で確認する場合は、[赤ボタン]-[履歴]-[アクティビティ]から走行データを指定すて[詳細]を選ぶと表示される。

ガーミンコネクトサイトでは、ログイン後[Activity]から走行データを指定すると表示される。

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そこで直近の短めのトレイルランやマラソンレースの消費カロリーピックアップしてみた。

  • ロードジョグの場合:1hで660kcal
  • トレイルラン場合:2hで約1300kcal、1hで750kcal
  • フルマラソンの場合:3時間44分(横浜マラソン2016)で約2900kcal

普段の練習でもトレイルの方がカロリー消費が多い。ロードでもレースのほうが心拍数を上げているので消費カロリーが多いことが分かる。

必要補給カロリーの計算

人間の体内には2000kcal±10%の糖質を蓄積可能である。理論上この2000kcalを消費してしまうと、エネルギーが枯渇して動けなくなる。

動けなくなる、つまり2000kcalを消費する前に食べ物を補給することが必要になる。先ほどの1時間あたり消費カロリーから逆算して、どの程度補給が必要なのか計算するのである。

常に2000kcalが体内に存在している必要はなく、レース終了後は最終的に500kcalや1000kcal残っていれば問題ない。最終的にどの程度余裕を持ってゴールするかによって補給量が変わることになる。

ゴール時点ですべてを使い果たす条件であれば、

2900 (消費予測カロリー) - 2000 (体内蓄積カロリー) = 900 という計算式が成立し、約3時間半で900kcalの補給が必要と推測できる。

スタート30分後から小分けにして補給する場合、180分で900kcalであるから、100kcalの物を18分毎に補給すればよいことになる。

走りながら補給するということ

食べ物を口に入れればすぐにエネルギーに変わるわけではない。消化吸収の時間は固形物や液体によって変わるが、少なくとも1時間程度は必要だと考えたほうがよい。また、エナジージェルなどは胃での消化が不要で、腸から吸収するためエネルギーに変わるのが早い。

ジェルのみで補給していると空腹感がある人は固形物を摂取したほうがよい。塩分を含んだ補給専用の羊羹やエナジーグミなどがある。

また、マラソン大会やトレイルランニング大会ではエイドステーションで食べ物が用意されていることが多い。あらかじめ出てくる物を知ることができるなら、補給の計算に入れてもよいだろう。

補給に適したもの

エイドだけで補給できない場合は自分で補給食を持ちながら走ることになる。1秒でも早くゴールしたいのだから、単純に1gでも軽くカロリーを補給できるものがよい。

となると、やはり各社から発売されている補給用のエナジージェルが最も効率的であろう。

ジェルは大きく二種類に大別できる。一つはコンビニでも手軽に変えるウィダーinゼリーに代表されるゼリー、もう一つはパワージェルやショッツといった濃縮ジェルタイプである。

ゼリータイプ

水分が多めのゼリータイプで手軽に胃に流し込みやすく、味付けもマイルド。大きくて重いわりに摂取カロリーは少なめ。

ウィダーinゼリー エネルギー マスカット味

「10秒チャージ」のCMでもお馴染みのウィダーinゼリー。何種類かあるなかでは「エネルギー」が最もカロリーが高い。

180kcal/180g

キャップがついていて開封しやすいが大きいので短パンのポケットには入らないので、バックパックやポーチが必要。

コンビニでも買えるので、練習中やレース当日朝でも簡単に調達できるのがメリット。

明治 ザバス ピットイン エネルギージェル ピーチ風味

プロテインで有名な明治が発売する補給用エネルギージェル。

170kcal/69g

ウィダーinゼリーよりコンパクトながら同程度のカロリーがある。味はピーチ、梅、栄養ドリンクと3種類から好きなものを。

アミノバイタル ゼリードリンク SUPER SPORTS

アミノ酸サプリメントで有名な味の素の「アミノバイタル」シリーズ。

100kcal/100g

カロリーだけでなくアミノ酸も一緒に補給できるので肉体疲労の回復に効果があると考えられている。キャップがついていて開封しやすく、りんご味で飲みやすい。

濃縮ジェルタイプ

濃縮の言葉通りゼリー状をさらに煮詰めた感じのジェル。喉越しが悪く水なしでは引っかかる感じがする人もいる。味付けも濃く、手がベタベタすることもあるが、最大のメリットは軽くコンパクトなのに摂取カロリーが多いこと。

それぞれ様々な味付けのものがあるので、自分が好きな味付けを見つけることが大切。同じ味ばかりだと飽きることもあるし、カフェイン入りなど最後の一頑張り用途のスペシャルなもの、という物もあるだろう。

shotz ショッツ エナジージェル

砂糖や加糖を一切使用しないマルトデキストリン100%なので、飲んだあとも血糖値が上昇しない。

117kcal/45g

軽くてコンパクトなのでポケットに入れて走ることもできる。味付けがややワイルドなものが多いので色々と試すのが吉。カフェイン入りタイプは終盤の追い込み用に最適。

ハニースティンガー

オーガニックシロップで作られたハニースティンガーシリーズ。名前の由来のとおり蜂蜜がたっぷり加えられており、優しい味付けになっている。

100kcal/32g

メダリスト エナジージェル

非常識マラソンメソッド ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヵ月で3時間13分! (ソフトバンク新書)などの著書で知られ、バッドウォーターなどウルトラマンで活躍する岩本能史氏が開発に関わったメダリストエナジージェル。

106kcal/45g

他の濃縮ジェルタイプより大きめだが、ポーチなどにはコンパクトに収納できる。蜂蜜が加えられており、甘すぎず飲みやすい味付けになっている。

パワージェル

濃縮ジェルタイプの元祖といっても過言ではない製品。ブドウ糖と加糖を配合することでエネルギー摂取効率を向上させている。

120kcal/41g

味付けが濃い目なので初めて飲んだ時は口の中に残る感じがする。そのなかでも梅味はさっぱりしていてクエン酸も含まれているのでオススメ。

まとめ

仮に3時間で900kcal補給するのであれば、濃縮ジェル120kcalを約25分に1個摂取する計算になる。他にエイドステーションの食べ物を補給するのであれば、30分に1個ほどでよいかもしれない。

しかし、30分に1個とは言え、3時間の補給に最低6個は携帯するため、スボンのポケットやポーチに入れることになり、走りの邪魔になる可能性もある。

この計算式は「糖質」のみをランニングに利用した場合のものである。糖質だけではエネルギー切れを起こすことは間違いないため、体内にたくさん蓄えられている脂肪をいかにエネルギーに変えて走れるかがポイントになるだろう。

マフェトン理論に従った心拍数で練習することで体脂肪が燃えやすくなるが、その点を踏まえてどの程度糖質を補給する必要があるのか、自分なりに人体実験をしながら確認していくしかないだろう。

補給が足りないとガソリン切れで足が止まり、補給用ジェルを多く持ちすぎると邪魔に感じてペースが上がらなくなる。このバランスをどこで取るかが難しいのである。

補給に関しては、走りながら飲んでみたり、全味を制覇してみたり、いろいろと探して自分なりの答えにたどり着く必要があるだろう。補給食を楽しみながら走る練習に取り組んでいくことをおすすめする。色々と試してみて美味しかったジェルを改めて紹介する。